取っ組み合いで子育て~息子達と対峙するということ
今週は、何と2度!も大阪出張。
そして、今日は法事。
明日は、休日出勤の予定。
そういう師走のバタバタ真最中に、この事件は起きたのでした。
コトの発端は、11月に亡くなった配偶者の母方の祖母の、35日の法事の「出欠」でした。
まあ、自分の祖母ですから、配偶者が列席するのは当然ですが、問題は鈴木家の3人の男どもです。
私は、というと、今日の法要は是非参列したいと思っていました。
ちょうど大阪出張に重なってしまって、葬儀に参列できませんでしたので、そういう事情もありました。
長男は、まあ、義理がたく真面目な優しい子なんですね。
クラブの練習があったにも関わらず、法事にはデフォルト出るものだという信念の元、一も二もなく参列を決めていて、その決意に少しの迷いもありませんでした。
しかし、次男は違いました。
葬式にも出たし、母親は特に強要しないし、クラブの練習試合とは重なっているし。
ということで、参列しないと決めました。
ちょっと違うな。
そういう流れというか合わせ技で、何となく今回は「ま、いっか」という結果になった、ぐらいの方が正しい感じですね。
まあ何れにせよ、次男は参列しませんでした。
しかし、事件はここから起こるのです。
次男の欠席を、長男はどうしても許せませんでした。
帰宅後夕食をしながら、そのことで執拗に弟を責めました。
次男は、そのうち泣き出してしまいました。
私も
こいつだって、解ってるさ。
だから、もう責めるなよ。
と中途半端になだめたりしましたが、そんなことで長男の怒りはおさまりません。
そのうち次男も逆ギレしたりする段になって、火に油を注がれたカタチになった長男は、本格的にキレ始め、最後はとうとう弟に殴りかかろうとまでしたのです。
その場は何とか繕いましたが、燻った感情は、落ち着くまでには至りません。
私が自分の部屋に戻っても、長男の昂ぶった感情は収まらず、私の部屋に押しかけ、迸る感情をぶつけてきます。
私は、
他人のためにそんなに本気になれるお前を、俺は、もの凄く誇りに思うぞ。
でも、最終的にはあいつ自身の問題なのだから、強要はできないんだよ。
それに、話をすれば伝わることなのだから、そんなことで暴力沙汰になって怪我をしたり、させたりすることだけは勘弁してくれよ。
と長男に頼みました。
すると長男は、憑き物が落ちたように、私の部屋を出て行きました。
後で聞けば、その後長男は、弟にはこんな辛辣な言葉を浴びせたらしいのです。
シツこく責めて、悪かった。
だけど、何より参列しなかったという結論と、全然自分で考えていないそのプロセスの両方の意味で、俺はお前を一生軽蔑する。
今度は次男が私の部屋に入ってきて、彼なりの言い分を私にぶつけます。
しかしハナシをして判ったのは、次男が「子供」だということ。
言葉は悪いが、愛に溢れる兄の「アドバイス」を、「小言」としか捉えていないのです。
次男は、今度は私から、こう怒鳴られる羽目になりました。
法事の出欠については、どっちだっていい。何も言わない。
俺が許せないのは、兄貴が言っていることの根本を理解しようともしないで、上っ面で拒否反応している、お前の態度だ。
一緒に住んでいる者がどういう思いでお前にモノを伝えようとしているのか、分かろうともしない感受性のないヤツは、俺の家から出て行け。
まあ、後から考えればずいぶん乱暴な言葉を浴びせましたが、男の子を育てるということはこういうことなんだろうと思うのです。
中学生と高校生の兄弟が、これまでこんな諍いを起こさなかったこと自体、異常だったというべきなんだと思います。
だから、このことに、絶対に「蓋をして」はいけません。
双方に、バンバン「青年の主張」をさせるべきなのです。
言いたいことを言わずして、問題を先送りにして感情を燻らせ、当面の平穏を取り繕うことに何の意味があるでしょう。
嫌でも一生付き合う兄弟間で、そういう負の感情の「スタンプを溜め込む」ことほど、恐ろしいことはありません。
今日先送りした感情が、何年後かに、何十倍にもなって噴き出すのです。
ああ恐ろしい。
親なんてものは、子供たちが「安全に喧嘩」できるために、せいぜい行司役を務めることぐらいしかできないのかも知れません。
そのうちイヤでも羽ばたいていくのですから、自分の手元にいる間に、どれだけ「社会」の「予行演習」を手伝ってやれるか。
セーフティ・ネットを張って、練習試合の審判をやる程度のことですね。
別にキレイに纏める気もありませんが、その後二人は仲良くやっていますし、何だか私にも馴れ馴れしくなってきた気がします。
私は、取っ組み合いでまだ子育てに参加できるこの状況が、無性に嬉しく感じます。