朝起きて外を見ると、昨日夜半に降り出した雨は、やはり雪に変わっていました。
ちょっと、イヤな感じ。
何しろ今日は、次男の先受け当日なのです。
都内の自宅を出発したのは、6am。
当然、あたりは真っ暗です。
雪の影響が心配された交通機関は全く問題なく、最寄駅には予定どおりに着きました。
だがしかし!
駅を降りてから学校への道が、全然動きません。
歩道に溢れる、受験生とその親たち。
雪のため、途中の歩道橋がボトルネックで、大渋滞を引き起こしていました。
随分余裕だったつもりでしたが、学校に到着したのは開始時刻ギリギリ。
「このぶんだと遅刻者続出だろうな」と思いましたが、案の定、試験は20分押しで行われたようです。
まあ、無事に校門まで送り届ければ、もう親の仕事はありません。
「帰りの待ち合わせはそこの守衛室の前にするから間違えるなよ」と念押しして、駅前に戻ります。
駅前といっても本屋もCD屋もないので、タリーズで時間を潰すことにしました。
ソワソワしても仕方ありません。
内職するにも、眠いし気もそぞろで身が入らないので、
本を読みながら、のんびり待つことにしました。
こうなると、長男の時に一度経験しているので、気の持ちようが楽ですね。
結構アッという間に、迎えに行く時刻になりました。
出迎えは、かなりスムーズでした。
傘をさした親御さんたちでごった返している校門付近は、帰ってくる子供が見づらく、少し離れた守衛室前で待合せたのは大正解でした。
ところで帰路、雪も止んだ道すがら、息子が暗いのです。
私など、非日常の空気にやられて試験後は「ハイ」な感じになるのが常なのですが、次男は全くそんな気配がありません。
「どうだったの?」
「別に」
「別にって?」
「うん普通」
みたいな、会話にならない会話が続きます。
まあいいや。
変に興奮しているよりマシだろう。
そう思っていたら、次男のやつ、とんでもないコトを言い出しました。
曰く
俺、国語の答案用紙の名前書き忘れて、
気がついたのが試験時間が終わった後だったんだけど、
カンニングを疑われるのが嫌だったから、その場で名前を書かずに、
試験官が答案を回収して『君、名前書き忘れてるよ』というのを待って、
それで書いたんだ。
駅で合流した長男と顔を見合わせ、ノケぞってしまいましたよ。
お前は、大馬鹿者かどえりゃあ大物か、どっちかだ。
うん、何の根拠もないが、これで合格間違いないな。
昼飯喰って(考えてみりゃあイカ墨のパスタなんて、こんな時には縁起でもない気もするが、まあなんでもいいのです)帰宅した後、息子達は、庭で雪合戦を始めました。
さっきまであんなに冷静に戦っていたヤツが、フツーの無邪気な小学生に戻っています。
私も結構疲れたし、息子達もずぶぬれで遊んだので、彼らを連れて近所の温泉銭湯に行って温まりました。
その後、みんなで夕食を喰って、すぐさま寝ました。
いろんなことがあった、とってもすごい、忘れられない一日になりました。
受験が彼を大人にした、そういう日になりました。
ただ、彼の受験はまだまだ続くし、本当のドラマはこの後やってくるのです。