大きなステージと挫折~マイペース次男の受験成長記 その2

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tsukuba

次男の中学受験が終わりました。

大きなショックとともに、そのことが彼を成長させた、素晴らしい体験でした。

 

2月1日(第一志望校試験)

1/21も大雪だったが、2/1の朝も雨。
何だか試験日には、いろんなものが降っている印象があります(笑)

2/1が受験スケジュール初日の受験生は、曇天をいや〜な感じて受け止めているかもしれませんが、我々にとっては、

あの雪に比べたら、屁でもないわっ!

ってなもんです。
今日も妙に落ち着き払っていた次男は、実力を発揮することだろう、と思っていました。

 

2月2日(第一志望校合格発表)

だがしかし!
第一志望校に、彼は合格できませんでした。

間違いなく、彼の人生で最初の大きな挫折です。

あの問題は、こう解いておけば獲れたかもしれない。。。
あの問題は捨てて、他の問題に時間を振り分けた方がよかったかも知れない。。。

おそらく彼は、いろいろ逡巡していたことでしょう。

原因は、いくつかあるのかも知れません。
いやいや試験の結果など、偶然かも知れません(たぶんそうです)。

問題はそこではなく、彼が受験と向き合う「意味」でした。

何となく、親から言われてきたから。
兄も受験したから。
塾でも、みんな受験するから。。。

彼には、いくつもの「漠然とした」受験動機はあったのだけれど、彼自身の動機を自分の力で突き詰められていなかった、ということなのだろうと思います。

不合格という現実は、そんな甘さに往復ビンタを喰らわせるのに、威力十分でした。

何のために、これほどの苦しみと悔しさを味わうのか。
自分が直面している「受験」というシロモノは、いったい何なんだ。

追い討ちをかけるように、彼は不合格の速報を関係者に報告するために、ケータイで話さねばなりませんでした。

何故落ちたのか。
今どんな心境なのか。
今後も大丈夫なのか。

まあ、外野は気楽にこういうコトバを浴びせるもんです。
悪気はないんですけれど(で、悪気がないからこそ、コトバが厳しく響くのですけれど)。

これまで陰になり日なたになり支えてくれていた祖父母や塾の先生たちに説明する中で、彼は、ひとつづつ整理しながら、ゆっくりと、だが確実に、自分の気持ちにオトシマエをつけていったのです。

第一志望校の試験が、2/1。
発表は2/2。
そして、2年間の受験勉強にピリオドを打つ、最後の試験は、2/3。

不合格という現実からどこまで気持ちを持ち直し、最後まで頑張り抜くことができるか。
この日の心の葛藤と奮起が、彼の「受験週間」の最大の山場でした。

そして彼はついに、2/2の午後には「このままでは俺は終われない」とハッキリ言ったのです。

 

2月3日(最後の試験)

2/3、最後の試験に臨みます。
お弁当持ちで、8教科の長丁場です。

気圧されないように、集中を切らさないように。
彼は、繊細なバランスを自ら律し、見事にリベンジをやり遂げました。

全てを終えた清々しい表情が、彼の達成したことを雄弁に物語っていました。

その日は、家族皆で彼を讃え、恒例のちゃんこ屋に出かけました。
2年前、つまり長男の受験が終わった時も、ここで外食したのです。

結果はどうでもいい。
兎にも角にも、お前が納得のできる戦い方を全うしたことが素晴らしい。
だから今夜行くんだ。
ご苦労さま。
よく頑張ったな。

 

2月4日(最後の試験の合格発表)

一夜明け、今日、発表がありました。
彼は見事、合格しました。
たった35名しか受からない難関校に。
私も含め、一族誰も合格したことのない国立校に。

こうして彼の受験は、2勝1敗の結果に終わったのでありました。

 

私は、中学受験(中高一貫教育)に対し、次のメリットを感じていました。

  • 脳みそが柔らかい小学生高学年の時期に身につけた「考える習慣」は、一生モノの財産となること
    (かく言う私も、未だこの時の“貯金”で暮らしているような気がしてならない)
  • 人生で一番多感な14〜15歳の思春期に、高校受験のために費やすバカバカしい時間やエネルギーを、たっぷり別のことに向けられること
    (つまり“6年間の休暇”のご褒美)

私自身の体験から、また長男の経験から、この2点は堅いと思っていましたが、今回、別のメリットを見出した思いがします。

大きなステージさえ用意してやれば、結果如何に関わらず、その挑戦の過程で人間は勝手に伸びる
ということです。
こんな、至極当たり前のことに、今更ながら気がつかされました。

夏休みが終わっても志望校が固まらず、
泣き虫で、
受験直前まで「落ちるのが怖い」と志望校ランクを下げていた次男は、
この経験で、見違える程成長しました。

春から彼も、「大人料金」の中学生です。
しかし、最早、伊達に大人だということではありません。

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